蛇足

家主

2007年02月07日 00:33

気がつけば 仕事に花はなかりけり 走れ馬車馬  ホワイトカラー・エグゼンプション
(詠み人知らず)

とうとうサラリーマンにとって「残業・休日出勤手当ゼロ」の時代が来るのかもしれない。
いま続いている「いざなぎ越え」の景気の行き着く先には何が待っているのだろうか。

ワタシが小学校のころ、卒業文集で

「将来つきたい職業は?」

という質問に対する男の子の答えは…

① プロ野球選手
② 先生
③ 科学者

といった感じではなかったかと記憶する。
プロ野球はON全盛期であった。

王、長嶋という宝石を中心に柴田、高田、土井、黒江、末次、森というメンバーは、
当時で言うところの「銀河系軍団」であった。
投げても、城之内、堀内、渡邊、高橋一三、宮田、倉田…、
そして、選手としての晩年を迎えていたが金田がいた。

その銀河系軍団に対して、村山、江夏、外木場、安仁屋、小川健太郎、星野、松岡、浅野、安田、
平松といった名投手達が、立ちはだかるという構図があった。

単に巨人戦しか中継がないということではなく、対決の構図
が人をひきつけていたのだと思う。

②番目の「科学者」は鉄腕アトムを作りたいという夢であった。

10万馬力の〝正義の味方〟鉄腕アトムを自分で作りたいと思った子供はたくさんいたはずである。
ワタシもそんななかの一人だったが、如何せん数字に弱すぎた。
せいぜい大学生の頃「徹まんアソブ」を実践したぐらいのもので、
夢は現実にならなかった。

だが、その後も友人とは、夜の公園で(昼だと現実が見えるので)大いに将来の夢を語り合ったものである。
語り合ったというより「吹きまくった」というほうがより近いかもしれない。

そんな他愛もない話ならいくら口が滑ってもいいのだが、公職に就いた人は「滑ってはいけない」ことをもっと自覚しなくてはいけないだろう。

「言霊」というのがある。

日本人は古来から言葉に魂が宿ると信じていた。
逆に言うと、ひとりでに歩き出して、どこかに行ってしまう「言葉」もある。

「産む機械」発言で物議をかもしたヤナギサワ大臣が、
また火種を撒いたらしい。

「2人以上子どもを持ちたい若者」「健全」と表現したのだそうだ。

深い意味があったとは思いたくないが、この時期の発言としては明らかに蛇足である。
ただでさえ噛みつかれそうなヘビに、足までつけてしまったのでは、一人歩きさせてしまっても仕方があるまい。