カラスの勝手でショ

家主

2007年06月26日 11:41

 コテツが吼えるときには、いくつかケースがある。
 ① ネコがやってきたとき、② ネズミが通り過ぎたとき、③ 怪しい気配を感じたとき、
そして、④ トリがエサを掠め取っていくときである。
 ①と②は狂ったように吼えまくる。③の場合は脅えた声になり、
翌朝見てみると、どうやって上ったのか、小屋の上に乗っていたりする。
ほとんど「ブレーメンの音楽隊」である(ネコやオンドリは乗っていないが…)

 ④の場合は、悲しそうな吼え方なのである。急降下してエサを掠め取っていくのは
スーサー(リュウキュウヒヨドリ)やイソスーサー(イソヒヨドリ)である。

カラスがいない我が家の周辺では、スーサーが空を支配しているようにも見える。
他府県にはハシボソガラスとハシブトガラスが両方いて、都会や山奥には「ハシブト」,
山里には「ハシボソ」と住み分けている。東京では首都が排出する生ゴミを、
ハシブトと巨大なネズミが奪い合っているという。いまやノラネコの出番がないのである。

沖縄ではハシブト(リュウキュウハシブト)はいるが、ハシボソは冬鳥として渡ってくる程度なのだそうだ。
日本では、那覇以外の都会にはすべてハシブトガラスが生息している。だが那覇にはいないのである。
先輩のナーファンチュ仲地昌京さんに以前うかがったら、「戦前は那覇にもカラスがいたはずだ」と言うことなので、
ひょっとすると戦火を嫌って都会から消えたのかもしれない。

体重600~800グラムであるカラスの脳の重さは10グラム。ハシブトの脳細胞はハトの3.8倍。
スズメの11倍あるという。
伊良部のカラスはサトウキビの茎をくちばしで齧って食べていると聞いた。
戦争の悲惨さを目の当たりにし、危険な場所を記憶に刷り込み、子孫に伝えていっても不思議ではあるまい。