家主

2008年02月27日 22:26

「明恵・夢を生きる」という本がある。
先日なくなった元文化庁長官・河合隼雄さんの書だ。

紀伊の國…今の和歌山県生まれの明恵は、60歳で亡くなるまで、
実に40年にわたって自分が見た夢を書き続けたという。

一そもそも夢というのは、見るたびに全部覚えていたら
相当わずらわしいと思うのである。
しかし、妙に生々しい夢があるのも事実である。
だからフロイトも研究したのだと思う。

一時期私も夢を記録しようと思い、トライしたのだが、
朝起きたら、すっかり忘れていた。

だが、今また自分の夢を記録しようと頑張ってみている。

強烈な夢を見(たと思っている)たあと、夜中にハッと目覚めたとき、
記録しようと頑張るのだが、眠気に勝てない。
いったん眠ってしまうと、もうその夢の記憶は消えている。

「夢」は現実の矛盾を解消するために見るものだという話を聞いたことがある。
矛盾を矛盾のまま抱えてしまっては、居場所がないからである。
いくらか違う部分をテキトーに調整する人間のファジーな部分が「夢」だというのである。

だがタマに悪夢もある。
夢で仕事をしている「夢」ほど悲しいことはない。
朝起きて出かける場所も「そこ」だからである。

だが、夢の中でごくたまに「会いたい人」に会えることもある。
「会えないはずの人」に会うこともある。
夢の中のその人は、笑っている。
たいした会話があるわけではないのだが、笑っている。

そんな夢を見た翌朝は、なぜかすごく嬉しいのである。