ウワサ

家主

2008年11月04日 11:40

結構話題になっていたので、「幕末維新の暗号」という本を読んだ。
「フルベッキ写真」http://www.nextftp.com/tamailab/verbeck.htm
という一枚の写真を基にした作品だ。

本の感想はおいといて…

ワタシもその写真は見たことがある。
一堂に会した明治維新の立役者たち…みたいな説明がついて
どこぞの神社仏閣の土産売り場に売っていたか飾ってあったかしていた。

真贋論争以前に、こういうものがあること自体面白いと思う。

幕末の写真は、デジカメ時代の現代では考えられないようなものであったらしい。
風景ならともかく、人間を撮る場合には30分ぐらい動けなかったそうで、
動いちゃいけないから首を支える道具すらあったらしい。
そんな背景もあったのだろうか、写真機を見つめると魂を取られるというので、
この頃の人たちの写真はみんなそっぽを向いている。

「ハイ、チーズ」
などというお決まりのフレーズは当然存在していない。

そういえば、江戸幕府の最後の将軍だった徳川慶喜は写真が趣味で
結構な数の写真を残している。
殿様だったから出来ることではあるが、この時代の写真は貴重だ。
その血を受け継いだのか、ひ孫の徳川慶朝さんは写真家である。

で…

「幕末維新の暗号」である。
ちと、「ダ・ヴィンチ・コード」の展開を思い出した。
行き着くところは、幕末の歴史本を見ていると出てくる
ある人物は途中で「すりかえられたのだ」という「ウワサ」である。

ただ、作品の中に、一人の中学教師が出てくるのが気になる。
この人のキャラがよく見えないのだ。

①東大出で、中学の教師をやっている変わり者、
②若いのに、一人で住んでる初老の作家の家に勝手に出入りしている
③作家の取材旅行先に突然一人で現れる

どうも怪しい。

怪しいなら、怪しい関係を暴露してほしいのだが、それはない。
で、ヒロインのような存在なら

「女優のだれそれさんみたいな」

という感情移入もありうるのだが、
どうしても顔が見えなかった。

そんなことばかりに気をとられて、結局『暗号』についての
興味は飛んでしまったのでありました。