変革

家主

2008年12月24日 00:06

1年が終わろうとしている。
「RYUスポ」という新番組を始めたこともあって
あっという間の平成20年だった。

なかなかうまくいかないことも多い。
県内にサッカー、ハンドボール、バスケットと
3つのリーグ(プロも含めて)チームがあるが、
リーグというのは、ホームゲームとアウェーゲームがある。

毎回取材に行くわけに行かないし、
系列局がなかったり、あっても取材してくれていない場合が多い。
琉球キングスのように優勝争いをしている場合は
当然「見たい」というニーズが強いのだが、
予算や人員の問題は自由にならないことも多く、
答えることができない忸怩たる思いがある。

誰だって地元のチームが優勝争いをしていれば
注目するのは自然である。
強いというのはプロとしての最大の売りである。

一方で、今年トルシエ氏を総監督に招いたFC琉球は結果を出せなかった。
年間120日は沖縄で活動するという条件は
決して短いものには思えなかったが、
終わってみれば、どうだったのか。




先日、紙面に高知中央高校ラグビー部の話題が出ていた。
日本代表で活躍した大八木淳史さんがGMを勤めるチームである。

問題を抱えた生徒を集めて創部したという高知中央。
まさしく、大八木さんの母校…伏見工業が
山口監督のもとで花園に出場しベスト8に進んだエピソードに被る。
いわずと知れた、「スクールウォーズ」のモデルである。

監督ではなく「GM」として引き受けたのは

「各競技団体への問題提起も含めた実験」だという。

創部2年目で掴んだ花園切符。
紙面を読むと、最初の年はやめていく部員が多かったが、
今回の出場で転学希望者が続出しているんだそうだ、


高知県予選の出場チームは4チームしかない。
しかし、この切符の意味は「実験」という以上に大きい。
勝った試合では生徒とともに涙を流し、
逃げた生徒はGM自ら言って連れ帰る。
山口監督が現場に復帰したようなその姿が
花園に踊る姿を早く見てみたい。


同じ120日。
元日本代表監督の初シーズンはどうだったのか。


「サッカーエリートにする」


という言葉通り、代表がキャンプをした指宿や
Jヴィレッジでのキャンプから一年が始まった。
就任会見では、グラウンドで指導することはないとしていたが
実際は声を荒げて選手を直接指導した。
ラビエ監督は腕組みをしてみているだけだった。


スポーツの世界、外国の言葉だから通じないということはないだろう。
しかし、伝わったとは思えない。
「言葉はあった」が「言葉になっていなかった」のだろうと思う。

・・・・・・

大八木氏のブログを見ていると、
教育者としてここでなにを作り上げるのかを考え、
就任前から高知で人脈をつくり、現地の実態をよくリサーチしているのを感じる。
一方、トルシエ氏は「サッカーエリートを率いた」監督として
沖縄にやってきた。


亜熱帯沖縄である。
サポーターも暖かい。どんな試合でも必ず
「よく頑張った」と拍手を送ってくれる。
だからこそ、情熱とか熱血とか涙とかそういう人間味がないと
矢印を上に向けられないのではないか。


ど派手な演出はずいぶん見せてもらったが、
そんなものより、一勝のほうがどんなに価値があることか。
同じ120日間だが、24時間の濃さが違っていたのかもしれない。