子どもの頃、東宝の怪獣映画を見に行くと、パンフレットの最後のページに必ずプラモデルの宣伝が出ていた。
「煙を吐くゴジラ」「動くモスラの幼虫」「フツウのラドン」
などである。
かなりの価格だったので、子どもの私には高嶺の花であった。
1966年から放送された「ウルトラQ」
学生だった石坂浩二さんがナレーションをやっていたのは有名だが、
ウルトラシリーズの元祖である。
与那覇デスクと話をしていたら、
子どもの頃、ペギラのプラモデルを持っていたという。
ペギラは確か南極に住んでいた怪獣であり、ウルトラQの5作目に登場した。
彼は友人が持っていたゴリラ型怪獣「ゴロー」と「ペギラ」を闘わせた話を非常に細かにしてくれた。
羽を広げて冷気を送るのが武器の「ペギラ」は、腕を前後に振って前進する「ゴロー」のプラモデルには絶対に勝てなかったんだとか。
羽の動きまでリアルに再現してくれた。
ひょっとすると、今でも家でヒソカに戦わせているかも知れぬ。
19日から始まるJFLで全国の「怪獣?」と対戦するFC琉球が、新ユニフォームを発表した。
ホーム用のユニフォームはチームカラーの「ベンガラ色(エンジ)」を基本に、背中に負った番号は、
琉球王国の代表として戦うという意味をこめた「ゴールド」だそうだ。
ビジターは白と紺をベースにしている。
やはりユニフォームは
選手が着てこそカッコイイ
私も日本代表のユニフォームのレプリカを持っているが、自分で着るとどう見てもダフ屋の一員のようでショックだった。
今年のFC琉球のキャッチフレーズは
「夢がある。」
だそうである。
パンフレットには英語でも書いてあるが、
We have a dream
フツウである。
この場合、英語はすこし意訳して欲しかった。
野口代表は、きょうの会見で「夢がある。」の最後についている「。」をかなり強調していた。
きっとこれは完結の「。」なのだろう。
日本の場合『夢』は「夢のまた夢」であって、見るもの、描くものでしかない。
一方欧米では、Dreams come true である。
夢は「実現するため」にある。
このギャップを埋めるのが完結の「。」なのだろうと私は思う。
とはいえ、これから始まる戦いでは経験則がものを言うことも多い。
「勝つこと」を知っているものは、間違いなく最後の瞬間では
強者である。
それは八重山商工のつよさにも共通するものがある。
FC琉球の場合、この男の存在であろう。
藤吉信次
「上がる」事も、「苦しい」時も経験した彼の力は、技術だけではないメリットである。
きっと東京近辺のチームの監督に就任した、ちりちり頭の熱いお父さんにつよく誘われたはずである。
しかし、彼はFC琉球を選んだ。
きょうもフジヨシはおどけていた。
専門誌の予想フォーメーションの中にもフジヨシの名はなかった。
だが、シーズンのどこかで、必ずフジヨシの逆襲があると私は思っている。