待たせやがって…

家主

2006年08月06日 21:26


巌流島でさんざっぱら待たされた佐々木小次郎は、
宮本武蔵のじらし戦術にいらいらしていた上に、
さあ、戦いだとカタナを抜き放った瞬間、
「小次郎敗れたり!」と叫ばれた。

鞘を投げ捨てたからなのだが、
勝つための心理作戦の追い討ちである。

きょう翁長吾央と対戦したニカラグアのエスピノザは
本来6月11日に組まれていた試合を、体調不良でキャンセル。
7月23日に改めて組みなおして試合を、理由もなくドタキャン。
今日の試合が3度目の正直であった。

本人は「ビザの関係とかいろいろあって・・・」と弁解していたが、
あまりよろしくないやり方であることは間違いない。



結果は、バッティングによる試合途中での判定で、翁長が3-0で勝った。
翁長にしてみれば、絶対倒してやるという気持ちがものすごく強かったのだろう。
試合後のインタビューであんなに

「すいません」

を連発したのには、パンチが当たってもラッシュできなかった(本人は体が硬かったといっていた)自分へのもどかしさと、
倒さなければいけない相手に、パンチを貰ってしまった(確かに利いたようには見えなかったがパンチを貰っていた)怒りが感じられた。

きょうの判定は納得できるし、
これだけ待たせたのである。エスピノザが勝つというならKOしかない。

翁長がこれだけパンチを貰うのは、プロアマ通じて初めてだという。
倒さなければという精神的硬さに加えて、
頭を下げて前に出て、ノーモーションの変則的なフックを放つ相手に
リズムが合わなかったのだろう。

だが、これはこれでよかった。
必ず糧にしてくれると信じている。
階級からいけば、「アイツ」と同じ階級である。

必ずガチンコ勝負を制して、ベルトを取ってくれると信じている。