季節感

家主

2008年12月15日 22:42



目の前の畑で「うーじとーし」が始まった。
視界を遮っていたサトウキビが姿を消すと、
なんだか、妙に寂漠とした思いが残った。

引退した相撲取りが断髪式のあとに
抱く感情はかくもありなんと思わせるものであった。

ま、そんなにタイした出来事ではない

しかし、日常というのはこういうものなのであろう。
季節があるから、感情も豊かになるのである。
ずっと同じ光景だったら、おそらく表情も変わらないのではないか。

年をとると、表情がなくなってしまうヒトがいる。

「え?あのひと、若い頃あんな無表情じゃなかったけどなあ」

と思わせるのである。
どうしてああなってしまうのか。

喜怒哀楽がある間は、人間輝いていられると思う。
とりわけ「喜」と「楽」がなくなったら、それはもう無機質である。
中には喜怒哀楽のうち、 「怒」だけが残っているオジイがいる。
いつも怒っているのだ。

ただこういう人は、若い頃から同じである。



コテツは、周囲の変化に無頓着である。
いつも泰然自若としている。
決して表情がないのではない。

ただ、いくつになっても、
散歩中に強引に飼い主を引っ張り、その結果自分の首を絞め、
苦しくなって、「ブタの声」を出す。

その声を聞いて、道行くヒトは

「あれはイヌではないのか」

と振り返るのである。

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