トリ
久しぶりに「ネオパークおきなわ」に行った。
ちょっと気分が塞いでいたこともあって、
トリでも見たら、気晴らしになるかと思ったのである。
確かにトリはいたが、かつてに比べると、随分と
種類は減った。
ワタシがネオパークに通い詰めていたのは
この施設が存亡の危機にあったときの取材であったわけだが、
そのときに出会ったトリが2種類いた。
ヒトリは、写真の「オニオオハシ」である。
当時は園内のゲージで放し飼いになっていて、
干しぶどうを手に乗せると、遠くから飛んできて
手の上から食べたりもした。
「手乗りオオハシ」であった。
雛も生まれたと聞いたが、その後病気などで
数が減り、今は「種の保存センター」の小さなゲージで
一羽が静かに暮らしている。
もうヒトリは、「ラッパチョウ」というトリである。
http://puhyupukuk.s39.xrea.com/rapatyou.html
ネオパークの宮島さんによると、英名を「トランペッター」と言って、
「ラッパチョウ」は究極の直訳なのだそうである。
体高60㌢ほどの飛べないトリで、ふかふかの黒い羽に覆われていた。
だが、なぜ「ラッパ」なのか、飼育した人も分からないと言う。
今は死んでしまって公園にカレの姿を見ることは出来ないが、
ワタシは「生前」カレと仲良しであった。
よくヒトがゴリラのまねをするときのように
「ホッホッホッ…」という音を出して呼ぶと、
どこからともなく走ってきた。
気性の荒いトリで、南米では番犬ならぬ「バンチョウ」として
買われているという。
ネオパークでも、あるとき飼育係がホウカンチョウという別の
気性の激しいトリに襲われたとき、
カレのことを守ってくれたのだそうである。
大変に「正義感に富む」トリなのだそうだ。
残念ながらいまはカレに会うことは出来ない。
以前に比べると、ネオパークにいるトリや生き物は
確かに種類が減ったが、
新しい命も次々に生まれ、命の息吹きにあふれていた。
園内にはSLも走り、動物とのふれあい広場では
こどもの無邪気な笑い声が響いていた。
だがある時期、この公園の生き物たちは
日本中の動物園に売られていく直前まで行ったことがあるのだ。
生き物を間近に見ることが出来ないこどもたちが都会に増える中、
こういう施設の存在価値は、「種の保存」ということに加え、
一層重要性を増しているような気がする。
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