2006年11月08日

火盗改め

沖縄県知事選挙は選挙戦真っ只中である。
あちこちで、幟(のぼり)や横断幕とともに、支持を訴える声が響いている。

候補は陣営に一人であるから、街角の応援は支持者だけである。
幟(のぼり)や横断幕を掲げて訴えるのはわかる。
だが、なんで手袋を手にしてこっちに向かって手を振るのか

「いってらっしゃい」でもなさそうだし、「さよなら」でもない。
キミに入れるわけではないのであるし、キミのことは知らないのである。

それはそうと・・・

きょうで沖縄県内では民家の火災が三日連続である。
復帰後は、民家もコンクリートの建物が増え、「大火」といわれるような大火事はなくなった。
明治大正期には、那覇で何十軒も焼くような大火事があったらしい。

消防庁の調べによると、今年上半期の出火原因のトップは「放火」である。
県内でもこの1ヶ月、主にサトウキビ畑で「放火」が続いている。

「火のないところに煙は立たない」
というが、
「火の気のないところで煙が立っている」のである。

江戸時代、いまの東京=江戸は火事が多く、〝火事とけんかは江戸の華〟といわれた。
「大火」と「復興」が、地方から集まってくる男たちに仕事を提供していたという側面もある。

だが、「放火」はこの時代からあった。
八百屋お七の物語は有名、1682年暮れの、いわゆる「お七火事」である。

江戸時代「放火」は重罪であった。

何しろ家屋は全部木造。
水がふんだんにあるわけではないから、消火活動は建物を毀して延焼を防ぐしかない。
大風でも吹いたら「大火事」である。火事で江戸城の天守閣も燃えてしまった。

火事が怖いから食べ物屋は屋台が多かった。
天麩羅屋は、基本的に屋台である。

それほど恐れた火事を引き起こした罪は、
市中引き廻しの上、磔(はりつけ)火あぶりである
江戸の刑罰は、畑に死んだカラスをつるしておくのと一緒で、見せしめ刑である。

「やったら、こうなるぞ…」

ということである。

犯罪者には腕に輪のような刺青を入れたりもした。
これも見せしめであるが、いまではファッションである。

火付盗賊改方・・・俗に火盗改という役職も生まれた。
時代劇で有名な「鬼平」こと長谷川平蔵は実在の人物である。
かなり強引な取り締まりも下らしい。

放火は「未必の故意」である。
火をつけたことで、人が死ぬかもしれないわけだが、それでも点けているからである。

なぜか年末には「放火」が増える。
このところ、火事に放火に強盗。
厄払いのパーントゥを那覇に呼びたい気分である。



Posted by 家主 at 20:44│Comments(5)
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火災が起きるには何らかの原因があります。以後、火災が起こらないようにするためにも火災の原因を調査する必要があります。そのような火災の原因調査を行うのが火災原因調査員(係)...
火災原因調査員(係)の仕事【東京消防庁を目指す!!消防官への道】at 2006年12月08日 03:17
この記事へのコメント
土方さんこんにちは!連日ライブiのトップニュースは火事ですねぇ・・・。
連日の秋晴れで、空気が乾燥していて火の取り扱いには注意しているところですが、皆さんも注意してくださいね!昨日の南風原町字宮平での火事は近くなのでビックリしました!不審火も相次いでいるのでかなり怖いです・・・。
江戸時代から「付け火」は重罪のはずなのに何故やるんでしょうか・・・?
タバコの火の不始末で起きた火事もあります!愛煙家の皆様、何卒ご注意の程を。私はタバコを吸わないのでその点は大丈夫ですが・・・。
Posted by がじゃっちi at 2006年11月09日 14:01
土方さんこんにちは!
今気付きましたが7日は土方さんのお誕生日でしたね!
48歳のお誕生日おめでとうございます!
Posted by がじゃっちi at 2006年11月09日 15:54
えーしかし何ぞな?今回、この選挙の街角へのポスターの

貼り捲くり、剥がし合い、合戦?!(しかも、やけに「デカポスター」で)!・・
「女性知事を!」のポスターで、「女」の文字の上に違和感なく「男」の文字に貼り差し換えていたーひにやー、もー「天晴れ」というーしか!もー笑い、もーした!

えー地震も火事もそーだけど、沖縄ではあまり身近に関心を抱かない風調があるのは、何故にかのー?!その辺の認識度から改めるかのー?・・
年1あるかないかの防災訓練ともども!(カンパン嫌いか?!)・・・・

えー近所に歯の欠けた「パーントウ」!くりそつの老夫婦がいもうーす。・・
時々「鶯」とは、とーてい呼べないほどの鳥が選挙CARにとまッておりやす。

「海が汚れチよるのー!」「川が汚れチよる!」「道の側溝チリだらけ!」・・・
「自販機横のカン2!」「ゴチャ混ぜで収集できず」のチリがノラ犬、猫に

食い荒らされ・・それがまた!風に吹かれ、川から海へと・・・ジ・エンドレス・」
「守礼の門」がナイテおなさるのー!」・・で!何んだッた今日のお題?!・・
Posted by オレ、俺、鷺だ! at 2006年11月09日 19:23
がじゃっちさん、ありがとうございます。
回を重ねて喜びが増すものもありますが、
誕生日に関してはある線を越えると複雑ですなあ。

ちなみにポスター上での「男・女」の切った貼ったのやり取りは
私にはむなしいというか、情けないと言うか…。

子供のころ、社会の教科書の写真にヒゲだのめがねだのを書いていたのを
思い出しました。
Posted by 家主 at 2006年11月09日 23:18
放火は、江戸時代だけでなくてホントは現在でも重罪だったりします(現住建造物放火罪[刑法108条]の最高刑は死刑なので)。ただ、ヒトが住んでいるかいないか、建物かそうじゃないのかで大きく違ってきますが・・・。

でも、放火犯は、(私の記憶が確かならば)自身の精神的苦痛(ストレスなど)から逃れるための捌け口として放火する、いわば自己中心的な理由で放火に至ったケースが多かったように思います。年末・期末は仕事や家庭の面、もしくは受験などで特にストレスを溜めやすいシーズンなので・・・。
ただ、ストレスの放火に求めるのではなく、他のアクティビティで解消できるような環境を作ることと、そもそもストレスを生み出さない社会を作ることが放火をなくす根本的な道かもしれません。
Posted by Concierge YASDA at 2006年11月09日 23:28
 
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