2006年03月23日
ご先祖様

氷というのは、不思議な物体である。
当たり前といえば当たり前だが、解ければ水になり、蒸発すれば水蒸気という気体になる。

Barシャーロックホームズの平良マネージャーの十八番は、
丸い氷を作ることである。
だいぶ以前だが、テレビのコマーシャルをきっかけに流行ったことがある。
もっともこの人、もっと怪しい氷も製作する。
それはそうと、ジュラシックパークという映画は、琥珀の中に閉じ込められた蚊が吸った「恐竜の血液」が物語の始まりだった。
同じように氷も、マンモスなどを閉じ込めることがある。
先日、テレビを見ていたら、アイスマンの話をしていた。
16年前ににアルプスで発見された、男性のミイラである。
およそ5300年前の人物と推定されるこのミイラから何がわかったかというと、
イタリアをはじめとする国々で、このアイスマン君のDNAを受け継ぐ人・・・つまり子孫が相次いで見つかっているのである。
そのテレビ番組では、DNAを辿っていく過程を放送していた。
5300年前のアイスマンの子孫だといわれて、フツウに喜んでいるように見えたお母サンの反応は微妙だった。
以前、ウィルス研究家の根路銘国昭さんに話を伺ったときこんなことをおっしゃっていた。
「人間は、38億年前に地球に最初の生命が誕生してから今までの歴史を体内に抱えている。
最近とか昆虫とかウィルスとか、貰ってきてつないで、30億の遺伝子情報を持っている。
悪く言うと彼らの遺伝情報を盗み取って成長してきたのが人間」・・・というのである。
「だからウィルスでも最近でも、彼らとどうやってうまく『共生』出来るかが大切」だというのだ。
そう考えてみると、人間の中にも、
『豪快なんだけどやってることが大雑把な恐竜のような奴』
『しつこく接触して取り付こうとするウィルスみたいな奴』
『どう見ても〝ご先祖様はネズミですか?〟と問いかけたくなる奴』
いろいろ見えてこないだろうか。

コテツはきっと前世で・・・あるいは前DNAで、ハエによほどひどい目にあったに違いない。
周囲にハエがいると、獅子舞いの獅子がやるように、その辺の空中を「噛みまわる」のである。
しかし、あまりご先祖様をさかのぼりすぎるのも問題である。
先祖が「ナウマンゾウ」だといわれても、そう嬉しいことではない。
Posted by 家主 at 19:21│Comments(0)
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