2006年09月11日

九月上席

九月上席
休みを取って東京に行ったときには、ほぼ毎回行っている新宿末広亭である。
今回行ったのは木曜日だったが、入ってみて驚いた。
満席なのである。

以前に行ったとき、前座の出番の時間には、私を含めて3人しか客がいないことがあった。
ああいう時は困る。
家庭教師状態なのである。

まっすぐこっちを向かれて話をされると、ま、贅沢といえば贅沢だが、
笑えない
射すくめられてしまうのである。

寄席に登場する古典噺は、限られている。
ネタ帳があるから、同じ日に同じ噺は登場しないのであるが、
何回も聞いている噺でも、上手い下手が如実に表れる。

駆け出しの噺家がやると、頭に入ってこないのである。
今回聞いた中では小柳枝師匠の「時そば」は秀逸であった。

さんざん蕎麦屋をおだてた男が、

「ごちになった、いくらだい?」
「へえ、16文頂きます」
「ひい、ふう、みい、よお、いつ、むう、なな、やあ・・・、いま何時だい?」
「へえ、九つで・・・」
「とお、十一、十二文、こっそさん…」

と、一文ごまかすのを見ていた間抜けな男が、自分も同じようにやって・・・

「いま、何時でえ?」
「へえ、6つで・・・」
「なな、やあ・・・」

と、逆に損をしてしまうという噺である。

上手い人は、そばを食べているところだけで爆笑を呼ぶのだから、凄い。

毎度、私が寄席に行って感心するのは「間」のとり方である。
一人で何役も演じるのだから、間のとり方が上手いか下手かで出来が違う。

一般の人でも、話が上手い人は、おしゃべりなのではない、相手が聞きやすい「間」をとって喋る。
「聞いている人」の“間”をとるのである。
寄席は「笑い」でストレスを発散できるのと同時に、勉強にもなる。



Posted by 家主 at 15:03│Comments(4)
この記事へのコメント
え~やっぱ!「時そば」っくりゃ~(小さん)でやんすか?!・・(小朝)にゃ・・アレ、アレ2!風呂屋の番台で後家さんとの・・雷ゴロ2で、何が?何して、・・「おい、オイ2!番台の野郎~見てみろよォ~、踊り、やしゃ~ガったョ!・・」っー・・何ん、つ~話しやしィたッヶ~?・・・NHK、RADIO(第2?)で大晦日から元旦までNON・STOPリレーで落語番組がありやーしたけど、今年やー多分なかったような気がしやす(聞きのがしたか?)・・受信料義務化でいいから放送頼みやすと!(半分ホント!)・・1つ気ずいたことは落語は部屋を暗くしてきくべし!(ステレオなら尚ヨシ!)・・インスタントラーメン(キムチ)なんぞォを静かに・・ゆっくりかみ締めながら・・un!~・・・粋でやんすね~?!(どこが?)・・えー最初から終わりまで軍歌の歌い放しの落語!あれもよし!!・・なんぞな申し!・クりック1つで全ての落語が聴けるそげんサイトが欲しか~!・話しの始めの枕で1番よか・なのは・・・あれ?すか、やッぱ!
・「え~猫が水を飲むような音で、・そうでなし・・ピチャ、ピチャ2~」(-_-)
Posted by 白黒・テレビ。 at 2006年09月11日 21:09
だから 間が 抜けた人を

まぬけ って 言うのだろうか∵ゞ(≧ε≦;)プッ
Posted by かつぼたつ at 2006年09月12日 09:41
かつぼたつのおっしゃる通りだと思います。ハイ。
Posted by 家主 at 2006年09月12日 12:00
だいぶ前ですが、寄席でなく藤山寛美さんの舞台をTVで見て、「あ、この人の間すごい」と思いました。
「間」というのは、同じ時間を計ってあけたからといって同じように笑えるのではないということをこの人を見てしみじみ感じました。

わたしが最近の芸人とりわけ県内のお笑い芸人を見て笑えないのは、こういう「間」をもっている人がいないからです。
個人的には話芸のある人が好き。 
単なる勢いではなく、切り替えしの”反射神経”とこの”間”がポイントです。
Posted by うずまきメリーさん at 2006年09月12日 21:48
 
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