土方　浄の「スコアブックをもう一度」

子供の頃、ビートルズの「レットイットビー」のさびを聴いて、
『この人たちは、どうしてＬＰのことばかり強調しているんだろう』と思っていた。

あとでそれがレットイットビーと言っていたということがわかって、こんなことを人に言わないでよかったと胸をなでおろした。

君が代の「…さざれいしの、いわおとなりて…」という歌詞を
ずっと「音がなる珍しい石がある」と思っていた男がいた。

しかし、上がいた。

巨人の星のテーマ曲に
・・・思い込んだら、試練の道を、行くが男のど根性・・・
という歌詞がある。

そのバックでは、星飛雄馬がコンクリートのローラーを引っ張っていた…。
それを見たタクボは、その道具が「コンダラ」だと思ったらしい。

…重いコンダラ、試練の道を・・・

ワタシにも勘違いがある。
ＲＢＣの往年のテレビドラマに「くじり格子」がある。

高安六郎さんの主演で、主題歌も大ヒットした・・・らしい。
というのは、ワタシは見たことがないからである。

そして、ワタシの先輩がこの主題歌を歌う、又吉盛保さんであった。
あるとき、ゴルフをご一緒させていただくことになり、車に乗せていただいたのだが、
ワタシはそれまで彼が「歌手」だということを知らなかった。

ふと見ると、カーステレオ（当時は８トラックだった）にカラオケらしいテープが
差し込まれている。

『視線が合ったときから、歌の花咲くこともある』

そこから恩納村まで、たっぷり聞かせていただいた。

歌はわかったが、ワタシは「くじり格子」という物語を全く知らなかった。
だが、「クジル」というウチナー口はかなり早い時期に吸収したし、
「格子」が嵌っている場所が、どんなところかと言うことは知っていた。

頭の中に思い描いた映像は
「囚人が、格子をつかんで看守をくじっている」
様子であった。

どうもそういう物語ではないらしい。

いまだに本当の筋書きは知らないのである。

ところで