土方　浄の「スコアブックをもう一度」

大嶺祐太がきょう、プロ初登板初先発。
さすがに緊張が頂点に達している感じで、自慢のスライダーも全くだったが、
速球で西武の上位打線のバットをへし折るところは、さすが大物である。

特にカブレラとの２度の勝負は象徴的だった。
最初は０－２から低めのストレートを詰まらせた・・・かに思った。

ところが打球は大きな弧を描いて、グッドウィルドームライト最前列へ・・・。
ベネズエラの怪物のパワーである。
さすがに大嶺も驚いた様子だった。

しかし、２度目の対決では、速球でファイルを打たせカウントを良くすると、
フォークボールで（本当はかなり危ない抜けたボールだったが…）
三振に獲った。
この回はリーファー、ＧＧ佐藤からも三振をとり、アウトはすべて三振であった。

４回で７被安打、４奪三振。
ホームランを打たれたあとの連続四死球など、決して褒められる内容ではないが、
速球の威力を相手に見せ付けただけでも十分である。

青野の同点ホーマーで「初登板」「初先発」に続く「初敗戦」は消え、
それまでベンチで一人、澱んだ空気をかもし出していた彼が、
ホームランが出た瞬間、思わずホッとしたような笑顔を見せたのが印象的だった。

逆に言うと、そういう雰囲気を持った男なのである。
点を取られても、周囲が追いついてくれる。
考えてみたら高校時代からそうだった。

まあ今回のはあくまで序章。
次にやってくる「大嶺伝説」第一章に期待することにしよう。


個人的に思うのは、

大嶺君はきょう勝たなくてよかった。
そして負けなくてよかった。

あまり最初から欲張ってもいけないし、あまり最初からダメージを受けてもいけない。
カブレラと１勝１敗。
ワタシの中では理想的である。大きく飛躍する薬として、チョウどいいのである。


ところで・・・