2007年06月28日

ハニワと原子炉

人類学者の中沢新一さんは講演の中でこう述べている。

「芸術的な思考と言うのは爆発であり人間の日常生活を解体していく破壊的力を備えていなければならない」ということを岡本太郎は繰り返し説いていた。」

例の〝芸術は爆発だ〟である。そして、

「破壊と死こそが次の生命を誕生させる創造的な力の根源である、と言う宇宙の真理を、神話の思想は伝えている。だがそこには大きな危険が伴う」としたうえで、子供の頃に見たある漫画のことを語っている。

胸に原子炉を抱えて飛び世界の平和を守る『鉄腕アトム』はしょっちゅう悪いヤツに攻撃されて墜落する。―爆発したらどうするんだろう―子供の頃抱いていた不安を、中沢さんはあるときたまたま同席した手塚治虫に直接聞いたと言う。

「アトムは胸に原子炉を持っていますが、あれはとても危険なことではないのですか」

手塚は黙ってしまったと言う。
中沢氏は、芸術によってこうした矛盾を乗り越えようとしたのが岡本太郎だというのだ。

小学生の頃、大阪の万国伊博覧会で「太陽の塔」を見た。

「巨大なハニワ」かと思った。

だが作者が「縄文」の時代を愛でた人だと言うことをあとで知って、納得した。
一方で、大阪万博は最新技術てんこ盛りだった。〝月の石〟を展示したアメリカ館と宇宙ステーションを展示したソビエト館はその象徴。「人類の進歩と調和」と言うキャッチフレーズが、「人類の辛抱と長蛇」とギャクられるほど、何を見るにも列が基本だった。
コドモにとってあの列は、苦痛でしかなかった。散々並んだアメリカ館でようやく見たものは、輝いているわけでのない、その辺の石と差し替えても分からないような『月の石』だった。

先日、「なんでも鑑定団」を横目で見ていたら、大阪万博のときに岡本太郎が作った「太陽の塔」の〝顔〟の原型が出てきた。500万円との鑑定結果には、もっと行くんじゃないの?と思ったが、プラスチック製で岡本太郎本人がすべて作ったわけではないことを考えるとすごい数字である。
岡本太郎は沖縄を愛し、「沖縄文化論」という本を出している、サブタイトルは『忘れられた日本』である。

沖縄の経済的自立は最大のテーマである。
だが最近「そんなに無理しなくてもいいのに…」と思うできこともたまにある。

なぜか、口をあけて両手を上下させたハニワを思い出した。



Posted by 家主 at 19:47│Comments(1)
この記事へのコメント
えー・・「経済的自立」と・・「そんなに無理しなくても・・・」の矛盾は・・・・

えーやけに最近勢いんが、衝いた「県主導のカジノ構想」でやんすね^・・・

「カジノ施設」が出来れば、富裕層の外国人「欧米・中国・中近東」・・etc・・辺りが増えそーな気配・・・施設オープンで観光収入源の裾野が拡がるわけで、それから出て来る弊害は随時、対策・検討して行けばよか、うむは易しじャ・・

しかしー・・縄文土器のあれこれ、・・・信じられんのー・・・あれが本とーに、縄文の地層から出て来たのかね、にわかに信じられぬ、・・「江戸時代にシルクロード渡ってきた手先の細やかな宣教師んが、布教の合間に創り上げ、後世の人を驚かす意味で、地中深く埋めたんじャーなかろーばい、・・」・・・

「縄文の火焔土器」なんぞは、なにやら「ギリシャ彫刻」の匂いんが、するばいョ、・・・「衣食住」足りて生活に余裕と潤いがなければ、アヤテの作品は出来っこない、よーな気がするけどね^・・」どっちみち渡来人説を唱えたいね、・

     まー・・「どらエモン」がいれば・・謎はすぐに、解決するんだが、・・・・
Posted by ハニマル。 at 2007年06月28日 22:04
 
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