2006年04月11日

師匠といわれる日

所用あって、久方ぶりに東京の実家に帰ってきた。
師匠といわれる日

師匠といわれる日
もうさくらも終わりだろうなと思っていたが、一回開花したあと冷え込んだということもあるのか
まだじゅうぶん、花見をすることが出来た。

沖縄の緋寒桜は寒さに耐えるように、濃い桜色の花を付けるが、
本土のさくらは、入園入学式が行われるこの時期に、それこそ「花さか爺さん」が

「枯れ木に花を咲かせましょう」

といったかのように花を付ける。
そして、あっという間に散っていく。

なんていうんだろう。
「beautiful」ではなく、「美しい」のである。
やっぱこの花は、ワシントンには似合わないんじゃないかと思う。

師匠といわれる日



旅立ちのこの時期、縁あって「真打昇進披露パーティー」に出席させてもらった。

春風亭昇輔改め、瀧川鯉朝師匠と、春風亭柳之助・春風亭昇乃進両師匠、3人の合同昇進祝いである。

師匠といわれる日
鯉朝師匠は落語芸術協会の所属。

兄弟子である春風亭昇太師匠の司会で始まったパーティーは、

会長の桂歌丸師匠の挨拶に始まり、落語協会の三遊亭円歌会長、落語芸術協会の三遊亭小遊三師匠が次々に舞台に登場。

そこで思ったこと。

本当に話がうまい

挨拶そのものは1分あるかないかなのだが、褒めるところと期待の言葉をひとつ。
そして必ず「笑い」のポイントをひとつ。
それが見事にまとまっているのである。

本当にうまい

ワタシは以前から後輩にはこのラクゴを聞くように薦めているのだが…

師匠といわれる日
真打というのは、落語家の「スタートライン」

逆に言えばここから厳しい競争が始まる。

関西関東合わせて600人以上がいる落語家の世界である。
この名前をどこまでメジャーにすることが出来るか、後は実力。

師匠といわれる日
この人が、瀧川鯉朝師匠。断っておくが右の人である。
目の前で改めてみると、とても

ちっちゃい

でも何だかわからない魅力があるのである。

もともとの師匠は、3年前に亡くなった春風亭柳昇師匠。
大変な人気者であった。
http://www.geikyo.com/kaiin/profile/4.html

不思議に、ワタシが東京に帰って時間を空け、寄席に行くときには、
決まって柳昇師匠が高座に上がるときであった。

今回の昇進披露に縁があったのも、何かあるのかもしれない。

パーティでも、柳昇師匠の話がたびたび出る。
寄席の高座に上がるときも、前後に登場する噺家の「邪魔にならない笑い」を心がけていたそうである。
そういえば、結婚披露宴などで自慢話など「邪魔になる話」を延々とする人は多いが、
「邪魔にならない話」を出来る人は少ない。


師匠といわれる日
それにしても歌丸師匠にお会いできたのは、元横綱琴桜の佐渡ケ嶽親方と握手をしたときに次ぐ
嬉しさだった。

いまだに続く長寿番組の「笑点」であるが、
その昔、円楽、円窓、歌丸、小円遊…という時代があった。

南伸介「満員電車で、閉まるドアの外からお客さんを押し込んでいる駅員さんになって一言…」
円 楽「押してる、混んでる、コンドル、はげたか、うたまる」

なんでこんなことを覚えているのかわからないが、あのメンバーは最強だった。

ラクゴには「間」がある。
「間」がないラクゴは「落後」である。

話し方教室もいいが、ぜひ一度聞いてみることをお勧めする。



Posted by 家主 at 21:43│Comments(0)
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